虚勢

2005年1月4日
「また、逃げたね・・・」

そういう貴方に不適な笑みで答える。

「それがどうしたって言うの?」

貴方はちょっと悲しそうな瞳で微笑んで、「嘘吐き」と呟いた。

「虚勢をはるのだけは昔から上手なんだから」

さらり、と撫ぜられた髪が音を立ててこぼれる。
瞳のふちに涙をとどめて、それでも笑った。

「だって泣いたって仕方がないんだもの」

駄々をこねて泣き喚くほど子供じゃないし
瞬間的に割り切れるほど大人じゃない。

「れいな」

すっと指が頬を滑って

「泣いてるよ」

その一言に崩れ落ちた。

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