ごめんね

君が何を言っているのか

僕にはわからなくなってしまったみたいだ



自虐的に喚く君を見て

僕は冷静さを装った瞳の奥で

君の馬鹿さ加減に嘲笑っているよ



君のソレはすでに日本語としての機能を果たしていない



飛躍する内容

矛盾する言葉

成立たない会話



せめて君には僕と同等のレベルを維持してほしかったよ



ごめんね

ソロモンの指輪を持たない僕は

もう君と意思の疎通ができない

そう、君は確かに言っていた

「その性格も、外見も、全て好き」だと

そう、言っていたよね

「絶対に、離さない」と

そう、抱きしめたよね



そんなに脆く崩れる関係ではなかったはずで

お互いを空気のように感じ

居て当たり前だと笑い合ったよね



2人そろってやっと「ひとつ」になれるって

そう、言ったよね



手を繋いで子供のように眠ったあのベッドには

安らぎと温もりしかなかったはずで

誰の涙もなかったよね



それが透明な硝子細工だとも気付かずに・・・



僕は自惚れから

永遠にこんな時間が続くと

思い込んでいたんだ

イタイイタイイタイ

どうして心が痛いんだろぅ

イタイイタイイタイ

口内炎なんて非にならないくらぃ

イタイイタイイタイ

麻酔の注射もないのに

イタイイタイイタイ

誰か止めてょ



君ガ止メナョ

今まで、ありがとう

ずっとずっと

ありがとう

嗚呼、桜が・・・。

はらり

嗚呼、愛が・・・。

はらり

嗚呼、涙が・・・。

はらり

君に伝えた言葉は
真実だったよ
僕の心の全てを
託したよ

君が信じてくれなくても
君が僕から去っていっても

僕にあったのは
真実だけだったよ
君に伝えたのは
真実だけだったよ

例え君は信じられなくても
例え僕が一人になっても

僕には真実しかなかった

赤い目をした兎は
夜眠らずにずっと待ってた

赤い目をした兎は
寂しさにずっと泣いてた

赤い目をした兎は
寂しくて寂しくて寂しくて・・・

君のこと

「強いね」なんて言ったら

きっと怒られるんだろうな



僕のこと

「強いね」って思ってたら

僕はきっと悲しくなるから






僕はすごくすごく臆病者で

でもそれを知られるのさえ怖くて

必死に必死にカケラを集めて

自分を守る鎧をつくったんだ




ハリボテの鎧





冷たさは僕を守る最後の砦

君の姿を捜しつづけたけど
僕の視界にはうつらなかった。

君の番号を探しつづけたけど
僕の携帯には登録されてなかった。

君の名前をさがしつづけたけど
僕の頭は勝手にデリートしていた。


今更なんて都合が良すぎるんだね、きっと。

だから君の残り香さえないんだね、きっと。


1年前、僕に何が出来たかな。


白昼夢の10ヶ月間。

「全部直すから、いやなとこ言ってよ！」


そう叫んでから、後悔した。

貴方が望んでいるのは、そんなことではないってわかってる。


「ごめん、聞かなかったことにして・・・」


報われない想いはいつまでも私の中でくすぶりつづけて・・・。

どうすれば好きになってくれる？
どうすれば付き合ってくれる？
どうすれば恋人になれる？

そんなことばかり考える。


こんな不純な想いではなかったはずなのに・・・。


最初の頃の「好き」っていう綺麗な気持ちは
どこへ行ってしまったんだろう・・・。


「ばいばい。」


普通の挨拶に見せかけて心の中で私はある決意をしていた。

泣きそうなのに気付かれないように笑って。



ばいばい。

もう、会わない。。。

他には何も望まないから。


どうか無事でいてください。
どうか誰かに連絡をとってください。
どうか帰ってきてください。


自分の無力さに涙するしかできないから。



どうか・・・。

別に　ただ　見てた　だけ






『刺されるのなら出刃包丁がいいわ』



でば、ぼう・ちょう







貴方の台詞をゆっくり反芻して






『だって薄い刃だと痛そうじゃない』



い　た　い　・・・　？






ずっしりと重みのある出刃包丁
左手首に冷たい感触







ど　き　ど　き







ゴトンッ








僕の手を離れた包丁は
床に垂直に突き刺さった








『だって痛そうじゃない？』





お嬢さん

よく切れるペティーナイフもおすすめです